若者よ、背広を脱いで山に出よう。「林業」こそ、農業や漁業を守り、日本再生の原点だ!
~近ごろ頻繁に起こる豪雨による土砂崩れを防ぎ、野生動物と共存でき、プラスチック
などの弊害を無くした「優しい日本」を作るために~
やあ、こんにちは。
山田博士(ひろし)です。
お元気でしたか!
今日もまたお逢いしましたね。
嬉しいです。
地球という星を平和にしたい。
そして子どもたちの頬(ほほ)に流れる涙をストップさせたい。
ぼくはいつもそれを望んでいます。
そのために、「食べもの」が人を180度変え、家族を変え、
文明を変え、歴史を変えてきた、重い事実を、
ぜひ知ってほしい……。
★概要
最近、こうした事故が多くありませんか。
豪雨が続いて、各地で、家が水に浸かっている……。
そういう写真ばかりが、マスコミで流れています。
じつは、日本の「山」が、泣いています。
それと、大いに関係があるわけですね。
本当に、泣いています。
なにしろ、2017年に、「所有者不明土地問題研究会」という組
織が、発表しているんですね。
それによれば、「長期間未登記の土地」が全国で約410万ヘクタ
ールにものぼっていると。
この面積は、なんと九州(約368万ヘクタール)を上回っている
んですね。
この狭い日本列島の中で、九州ほどの面積が、長期間未登記であっ
て、その持ち主も分からない。
つまり、境界線なども不明で、どう扱っていいのか分からない土地
なんですね。
そして、その「所有者不明土地」の大きな部分を占めているのが、
この「山林」分野なのです。
この土地は、農地や宅地とは違った問題があります。
それは、「境界線の未確定問題」です。
★★★
まあ、それらについては、本書を見ていただくとして、じつは、日
本の山は荒れているなんてよく言われますが、結論を先に言います
と、日本の山には「ハゲ山」もなく、きわめて緑が豊かなんですね。
ただ、それらの多くは人工林なのですが、手入れがまったくなされ
ていない。
それこそが大問題なんです。
そのために、豪雨にでもなれば土砂災害や洪水などが頻繁(ひんぱん)
に起こり、毎年、多くのいのちが奪われるという悲しい光景が広が
っています。
もういい加減、、そのような悪循環を、ここらでストップさせよう
じゃありませんか。
そして、じつは、この「林業」というものは、農業や漁業にまで大
きな影響を与えるという、きわめて大切な源(みなもと)なんですね。
つまり、こうした「林業」こそ、ぼくたち日本人は、もっともっと
大切にしたい。
日本再生は、まさに、この「林業」からスタートする。
そう思っています。
★★★
たとえば、江戸時代など、周囲は「ハゲ山」ばかりでした。
なぜなら、ぼくたちの先祖サンたちは、こうした山の木を、資源や
燃料として大量に使っていたからなんです。
たとえば、歌川広重(うたがわ・ひろしげ)の「東海道五十三次」
などに出てくる森については、下草がまったくありません。
そしてそこに突っ立っている木は、痩(や)せ地でも育つ松ばかり
じゃありませんか。
違いますか(笑)。
彼の絵をよくご覧下さい。
そこに、杉や檜(ひのき)が描かれています?
そう、江戸時代の、とくに都市の近くの山は、「ハゲ山」だったの
です。
それを、明治時代以降、ぼくたちの先祖たちは、一所懸命になって
山を育ててきた。
ただ、その方向が、いまとなれば、間違っていたわけですね。
そのあたりもぜひ、本書をご覧下さい。
★★★
いまでは、冒頭に挙げたように、山の所有者も分からず、その境界
線も不明なため、放置されたままなのですが、こうなると、何が起
こるのか。
間伐(かんばつ。木を切って、まばらにすること)がなされないた
めに、日光が射し込まず、下草(したくさ)が育たない(最近、間
伐をしなくても、森は再生する……と言うかたも現れましたが)。
すると土壌が貧弱になりますよね。
そして、表面の浸食(しんしょく)が起きて、土砂崩れに向かう。
いままでなら、少しぐらいの雨でも、保水作用がありましたから、
洪水(こうずい)など、考えられませんでした。
それが、いまは、ちょっとした雨で、川は氾濫(はんらん)し、下
流(かりゅう)地域は洪水になるという有様(ありさま)なんです
ね。
最近、こうした事故が多くありませんか。
豪雨が続いて、各地で、家が水に浸かっている……。
そういう写真ばかりが、マスコミで流れています。
★★★
確かに大型台風のせいには違いありませんが、それは昔からありま
した。
しかも、いまより、もっと巨大な台風も日本には何度もやってきま
した。
でも、最近のこうした大々的な洪水を見ていますと、ぼくたち人間
が為した行為の結果もあるわなあ……と、思ってしまうんですね。
最近の豪雨では、多いところでは降り始めから、なんと1000ミ
リにも達しており、毎回、「何十年に一度の記録的な」…だなんて
言っているうちに、毎年こうなっていた……ともなりかねません。
そう、たかが山、されど山。
日本で、この「林業」を復活させるには、どうしたらいいのでしょう。
そのためには、この「林業」を、いままでのように、単に「環境を
守るため」……というのじゃなく、もっと大胆に、「経済的視野」
でとらえるべきじゃないか。
そうして、若者たちがこの「林業」で、経済的にも豊かになれること。
★★★
そのような施策(しさく)を施(ほどこ)した上で、若者たちに「林
業」に取り組んでもらう必要があるでしょうね。
かつては、1本の丸太から、さまざまな製品が取れました。
ただ単に、家の柱や板だけじゃなく、箱や桶(おけ)、そして間伐
材(かんばつざい)からはお箸(はし)が作られたのです。
しかも、木炭や、椎茸(しいたけ)栽培の原木(げんぼく)。
そして木の樹皮(じゅひ)は、薬品の原料や屋根の材料に。
また、樹皮としては漆液(うるしえき)などの利用もありましたよね。
杉の葉っぱは、線香の材料にもなりました。
もちろん、テーブルやイスなどのさまざな木製家具……。
こうしたものが、アッという間にプラスチックに取って代わられ、
いまでは何でもかんでも、こうした石油原料のプラスチックになっ
てしまいました。
★★★
この「林業」については、そのとっかかりにすぎませんが、若者も
含めて、もっともっと「林業」のほうへ顔を向けてほしい。
ただ単に、環境がどうの、自然がこうの……じゃなく、その「林業」
こそが、若者たちにとって魅力ある「産業」となり、みんながそち
らの方向へ向くようになれば、この日本という国が大きく変貌する
のじゃないか。
いままでのように、ただクルマやパソコンやネット社会だけじゃなく、
世界の中で、この日本こそが「素敵な社会」を作る先頭になってほ
しい。
この「林業」こそが、いまのこの「日本を再生する原動力になる」、
と、ぼくは真剣に思っているからなんですね。
いまぼくが考えている項目を、いくつか、本書で提案したいなと思
っています。
若者よ、背広を脱いで、「山」に出よう!
ささささ、どうぞ、本書の頁をお繰り下さい。
★目次
★(第1章)
それによれば、「所有者不明土地」が全国で約410万ヘクタール
にものぼっていると。この面積は、なんと九州(約368万ヘクタ
ール)を上回っているんですね。そして、その「所有者不明土地」
の大きな部分を占めているのが、「山林」分野なのです……
★(第2章)
結論を先に言いますと、日本の山には「ハゲ山」もなく、きわめて
緑が豊かなんです。たとえば、江戸時代など、周囲は「ハゲ山」ば
かりでした。いまは、緑が多いのですが、それらの多くは人工林な
んですね。ただ、手入れがまったくなされていない。日本再生は、
まさに、この「林業」からスタートします……
★(第3章)
かつては、1本の丸太から、さまざまな製品が取れました。家の柱
や板だけじゃなく、箱や桶(おけ)、そして間伐材(かんばつざい)
からはお箸(はし)が作られたのです。でも、こうしたものが、ア
ッという間にプラスチックに取って代わられて、それが川から海へ
と流れて、「マイクロプラスチック」となり……
★(第4章)
山と川や海は、つながっています。山にある肥えた成分が川に流れ
込み、それが海へ出て、魚たち魚介類の栄養分になるわけですね。
もちろんそれらの水は農業にも影響します。いま、こうした「林業」
の担(にな)い手を若者たちに任せ、彼らが経済的に自立できるよ
うにしたいものだと思っています……
★「社会の裏側!」シリーズの既刊本案内